「サウジアラムコ」上場のため王族らを「脅す」ムハンマド皇太子の「焦り」

攻撃を受けた施設の一部を公開したが、被害の実態は依然明らかにしていない(C)AFP=時事
 

 2019年8月30日『NHK News Web』が「サウジ国営石油会社 東京証券取引所に上場検討と報道」と題する記事を掲載したとき、筆者は「フェイスブック」に次のような「勝手な憶測」を書き込んだ。

〈巨額の報酬が期待できる、史上最大のIPO業務にどうしても関与したい「ゴールドマン・サックス(GS)」(昨年までの作業では関与できていなかった)が、上場実現のためには二段階作戦、すなわち、最初にリヤド市場に、その成功を見て海外市場に上場する、こととし、海外市場としては法的問題が起きないところ、たとえば「東京市場」に、というアイデアを提示した、ということではないか。まだ、ある関係者の、一つの「アイデア」の段階で、よく言って議論の対象、というレベルでは?〉
〈MBSが望む「サウジアラムコ」の「企業価値2兆ドル」の実現は、油価が80ドル以上(?)で高値安定推移するとの見方が市場参加者の間で定着しないと無理なので無理。だが、リヤド市場であれば「コントロール」できるので、「企業価値2兆ドル」をベースとした価格で象徴的ボリュームだけの上場を無理やり実現、それに対する海外投資家の評価を見てみようよ、という案では?〉
〈また、MBSが望んでいると思われる「ニューヨーク上場」は、「9.11の被害者・その家族がサウジ政府を提訴できる」とする「テロ支援者制裁法」適用を特別に免除することが可能でない限り、無理。だから無理。MBSはトランプ大統領の特別な「協力」を期待していたが、どうやら「無理らしい」と悟って、ニューヨーク以外での海外上場を受け入れるか、そもそもIPOを止めるか、の二者選択を要求されている。では、法的問題のほぼない東京は? と提示しているのでは? 香港は、昨今の状況から「無理だろう」とGSも判断しているのでは?〉

フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
この記事をSNSにシェアする
執筆者プロフィール
岩瀬昇 1948年、埼玉県生まれ。エネルギーアナリスト。浦和高校、東京大学法学部卒業。71年三井物産入社、2002年三井石油開発に出向、10年常務執行役員、12年顧問。三井物産入社以来、香港、台北、2度のロンドン、ニューヨーク、テヘラン、バンコクの延べ21年間にわたる海外勤務を含め、一貫してエネルギー関連業務に従事。14年6月に三井石油開発退職後は、新興国・エネルギー関連の勉強会「金曜懇話会」代表世話人として、後進の育成、講演・執筆活動を続けている。著書に『石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか?  エネルギー情報学入門』(文春新書) 、『日本軍はなぜ満洲大油田を発見できなかったのか』 (同)、『原油暴落の謎を解く』(同)、最新刊に『超エネルギー地政学 アメリカ・ロシア・中東編』(エネルギーフォーラム)がある。
クローズアップ
キャリア決済のお申し込み
フォーサイトのお申し込み
クローズアップ
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top