選挙不正で「亡命」ボリビア「モラレス長期政権」の崩壊

執筆者:遅野井茂雄 2019年11月20日
エリア: 中南米
9日の会見で「再選挙の実施」を発表するも、時すでに遅し……(C)AFP=時事

 

 国民の半数が先住民と自認するボリビアで14年前、共和国として独立(1825年)して以来初の先住民出身大統領となったエボ・モラレス大統領。反グローバル化を貫いた、このアイマラ系の大統領が、4期目に向けた選挙での不正疑惑をめぐる抗議行動と混乱を前に、11月10日に辞任。メキシコ政府の差し向けた軍用機で亡命した。

 ガルシア・リネラ副大統領もともに出国しており、歴代最長在任記録を誇ったモラレス政権は崩壊した。

カテゴリ: 政治 社会
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執筆者プロフィール
遅野井茂雄(おそのいしげお) 筑波大学名誉教授。1952年松本市生れ。東京外国語大学卒。筑波大学大学院修士課程修了後、アジア経済研究所入所。ペルー問題研究所客員研究員、在ペルー日本国大使館1等書記官、アジア経済研究所主任調査研究員、南山大学教授を経て、2003年より筑波大学大学院教授、人文社会系長、2018年4月より現職。専門はラテンアメリカ政治・国際関係。主著に『試練のフジモリ大統領―現代ペルー危機をどう捉えるか』(日本放送出版協会、共著)、『現代ペルーとフジモリ政権 (アジアを見る眼)』(アジア経済研究所)、『ラテンアメリカ世界を生きる』(新評論、共著)、『21世紀ラテンアメリカの左派政権:虚像と実像』(アジア経済研究所、編著)、『現代アンデス諸国の政治変動』(明石書店、共著)など。
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