「SARS」以上の猛威「新型肺炎」対応失敗なら「習近平政権」一挙不安定の恐怖

執筆者:後藤康浩 2020年1月29日
エリア: アジア
感染を恐れず武漢市に入った李克強首相には評価の声が(中央=中国政府のウェブサイトより)(C)時事
 

 新型肺炎が中国と日本、ベトナムなど周辺国を揺さぶっている。

 患者数と死者数の増加ペースが、2002~03年に中国を中心にアジア全域に感染が広がり、800人前後の死者を出した「重症急性呼吸器症候群」(SARS)を上回ってきたからだ。当初、致死率は低いと言われてきたが、ここに来て上昇している。

 何より中国人を不安にさせたのが、「武漢封鎖」や国内外の団体旅行禁止など、中国政府の迅速かつ強権的な対応だ。国民は政府の姿勢に何かの隠蔽を感じている。

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執筆者プロフィール
後藤康浩(ごとうやすひろ) 亜細亜大学都市創造学部教授、元日本経済新聞論説委員・編集委員。 1958年福岡県生まれ。早稲田大政経学部卒、豪ボンド大MBA修了。1984年日経新聞入社。社会部、国際部、バーレーン支局、欧州総局(ロンドン)駐在、東京本社産業部、中国総局(北京)駐在などを経て、産業部編集委員、論説委員、アジア部長、編集委員などを歴任。2016年4月から現職。産業政策、モノづくり、アジア経済、資源エネルギー問題などを専門とし、大学で教鞭を執る傍ら、テレビ東京系列『未来世紀ジパング』などにも出演していた。現在も幅広いメディアで講演や執筆活動を行うほか、企業の社外取締役なども務めている。著書に『アジア都市の成長戦略』(2018年度「岡倉天心記念賞」受賞/慶應義塾大学出版会)、『ネクスト・アジア』(日本経済新聞出版)、『資源・食糧・エネルギーが変える世界』(日本経済新聞出版)、『アジア力』(日本経済新聞出版)、『強い工場』(日経BP)、『勝つ工場』(日本経済新聞出版)などがある。
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