岩瀬昇のエネルギー通信 (238)

「価格戦争」「需要激減」続けば「備蓄満杯」「先物暴落」恐怖のシナリオ

緑線が「BTC原油パイプライン」(出典:「独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機」=JOGMEC、「石油・天然ガスレビュー」2012.11. Vol.46 No.6)
 

 あれは何年前の話だったのだろうか?

「サラリーマンの聖地」と称される東京・新橋のとある居酒屋のカウンターで、ライバル商社で石油開発を担当していた某氏と飲んでいた時の話だ。彼らは、アゼルバイジャンの生産開発大型案件の権益取得に成功したばかりだった。

「おめでとう、快挙だね」

 僕は素直に誉めて、盃を上げた。

フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
岩瀬昇(いわせのぼる) 1948年、埼玉県生まれ。エネルギーアナリスト。浦和高校、東京大学法学部卒業。71年三井物産入社、2002年三井石油開発に出向、10年常務執行役員、12年顧問。三井物産入社以来、香港、台北、2度のロンドン、ニューヨーク、テヘラン、バンコクの延べ21年間にわたる海外勤務を含め、一貫してエネルギー関連業務に従事。14年6月に三井石油開発退職後は、新興国・エネルギー関連の勉強会「金曜懇話会」代表世話人として、後進の育成、講演・執筆活動を続けている。著書に『石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか?  エネルギー情報学入門』(文春新書) 、『日本軍はなぜ満洲大油田を発見できなかったのか』 (同)、『原油暴落の謎を解く』(同)、最新刊に『超エネルギー地政学 アメリカ・ロシア・中東編』(エネルギーフォーラム)がある。
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top