ジョージアから「連れ去られた人々」を追って――イラン・フーゼスターン紀行(4)

執筆者:前田弘毅 2020年6月16日
カテゴリ: カルチャー
エリア: 中東
ヴァフシュティ・ハーンの碑文(筆者提供、以下同)

 

 2019年3月、不思議な縁に導かれてイラン南西部フーゼスターン地方を訪れ、当地の豊かな歴史遺産を巡った。デズフールとスーサ(現シューシュ)を回って最後に訪れたのが、シューシュタルである。

シューシュタルを治めたジョージア武人

 シューシュタルは、筆者が専門とする近世、とりわけ17世紀では、フーゼスターン北部の要の都市であった。

 ムシャッシャイヤ(モシャッシャイヤーン)朝という独自の地域政権が成立しており、当初は同じシーア派の新興勢力であったサファヴィー帝国と抗争を繰り広げていたが、やがて後者が地域に覇権を確立すると、これに従属した。

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執筆者プロフィール
前田弘毅 東京都立大学人文社会学部教授。プリンストン大学近東学部客研究員。1971年、東京生まれ。東京大学文学部東洋史学科卒業、同大学大学院人文社会系研究科博士課程修了、博士(文学)。大学院在籍中にグルジア科学アカデミー東洋学研究所に留学。北海道大学講師・客員准教授、大阪大学特任助教・招へい准教授、首都大学東京都市教養学部准教授などを経て、2018年より現職。著書に『多様性と可能性のコーカサス』(編著、北海道大学出版会)、『ユーラシア世界1』(共著、東京大学出版会)、『黒海の歴史』(監訳)『コーカサスを知るための60章』(編著)『イスラーム世界の奴隷軍人とその実像』(ともに明石書店)、『グルジア現代史』(東洋書店)など。ブログはこちら【https://www.hmaeda-tmu.com/】。
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