ポンペオ長官「歴史認識」で重大誤認:選挙対策が色濃い米国の「対中強硬策」

執筆者:春名幹男 2020年7月29日
エリア: アジア 北米
7月23日、ポンペオ国務長官は演説で対中政策の転換を宣言したのだが……(C)EPA=時事

 

 真珠湾攻撃前夜、在米日本大使館内でひそかに暗号表を燃やした歴史を思い出させるシーンだった。7月21日、米国政府が閉鎖命令を出したテキサス州ヒューストンの中国総領事館。館員が機密文書とみられる書類を燃やす光景が地元テレビで報道された。

 ただ79年前の日本大使館とは違い、火事の通報で消防や警察が出動する大騒ぎになった。大きいニュースになり、むしろドナルド・トランプ米大統領の陣営は喜んだだろう。

カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
春名幹男(はるなみきお) 1946年京都市生れ。国際アナリスト、NPO法人インテリジェンス研究所理事。大阪外国語大学(現大阪大学)ドイツ語学科卒。共同通信社に入社し、大阪社会部、本社外信部、ニューヨーク支局、ワシントン支局を経て93年ワシントン支局長。2004年特別編集委員。07年退社。名古屋大学大学院教授、早稲田大学客員教授を歴任。95年ボーン・上田記念国際記者賞、04年日本記者クラブ賞受賞。著書に『核地政学入門』(日刊工業新聞社)、『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)、『スクリュー音が消えた』(新潮社)、『秘密のファイル』(新潮文庫)、『米中冷戦と日本』(PHP)、『仮面の日米同盟』(文春新書)などがある。
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