「習近平指導部」を育んだ「純粋・毛沢東世代」の洗脳教育

執筆者:樋泉克夫 2020年8月4日
カテゴリ: 政治 IT・メディア
エリア: アジア
1950年の年画「新中国の児童」(筆者提供)

 

 新型コロナウイルス感染症問題への対応から「新型コロナ外交」、東シナ海における艦船の異常な行動、南シナ海の自国領化への強硬姿勢、インドとの国境紛争、ブータン東部地域への介入、敢えて外交的な摩擦を厭わない挑発的な「戦狼外交」、香港版「国家安全法」の制定、在成都米総領事館閉鎖まで――習近平政権が見せる性急で頑ななまでに強硬な対外姿勢の背景を考えた時、現政権世代が育った時代環境を無視するわけにはいかない。

 筆者が中国に関心を持ってから半世紀を越えるが、中国政府によるここまで強硬な内外姿勢は、文化大革命が始まった1966年から1969年の中ソ国境紛争前後までの数年間以外には思い当たりそうにない。

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執筆者プロフィール
樋泉克夫(ひいずみかつお) 愛知県立大学名誉教授。1947年生れ。香港中文大学新亜研究所、中央大学大学院博士課程を経て、外務省専門調査員として在タイ日本大使館勤務(83―85年、88―92年)。98年から愛知県立大学教授を務め、2011年から2017年4月まで愛知大学教授。『「死体」が語る中国文化』(新潮選書)のほか、華僑・華人論、京劇史に関する著書・論文多数。
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