7年9カ月に及んだアベノミクスをタネ明かしすれば、低金利と円安誘導、それに無分別な財政出動に支えられた施策の列挙で大まかな説明がつく。
その恩恵を存分に受けたのは、高株価で潤った投資家や空前のインバウンド(訪日外国人)ブームに踊った観光業者だった。前首相の安倍晋三(66)が政権に返り咲いた2012年に約836万人だった訪日外客数が、2019年には約3188万人と4倍近くに膨張。航空、鉄道、バスなど交通インフラはもとより、ホテルや飲食業、百貨店などの各業界が外国人客の旺盛な購買力で空前の収益を上げた。
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