「私益より公益」今こそ必要「渋沢的」起業家精神

執筆者:安西巧 2021年1月13日
タグ: 日本
エリア: アジア
今年の大河ドラマ主人公、そして2024年には新紙幣(写真)の「顔」となる渋沢栄一。しかし重要なのはその精神だ[財務省提供](C)時事

 

 2021年に没後90年を迎える渋沢栄一(1840〜1931年)。「日本の資本主義の父」「近代銀行の祖」「不世出の起業家」「最初のフィランソロピスト(慈善事業家)」――等々、数多くの呼び名を持つ近代日本の巨人の1人である。2021年『NHK』大河ドラマの主人公としても再注目されている。

 とりわけ特筆すべきは、維新の黎明期に為替、銀行、証券取引、商工会議所(財界)といった日本経済のプラットフォームを矢継ぎ早に確立した後、自ら野に下り、500を超える企業の設立・発展に携わったことである。

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執筆者プロフィール
安西巧(あんざいたくみ) ジャーナリスト 1959年福岡県北九州市生まれ。1983年早稲田大学政治経済学部政治学科卒、日本経済新聞社入社。主に企業取材の第一線で記者活動。広島支局長、編集委員などを歴任し、2024年フリーに。フォーサイトでは「杜耕次」のペンネームでも執筆。著書に『経団連 落日の財界総本山』『広島はすごい』『マツダとカープ 松田ファミリーの100年史』(以上、新潮社)、『さらば国策産業 電力改革450日の迷走』『ソニー&松下 失われたDNA』『西武争奪 資産2兆円をめぐる攻防』『歴史に学ぶ プロ野球16球団拡大構想』(以上、日本経済新聞出版)など。
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