ナワリヌイ毒殺未遂事件を暴いた「ベリングキャット」が広げる報道の可能性

執筆者:古葉祥太 2021年3月22日
タグ: ロシア
エリア: ヨーロッパ
世界が注目するべリングキャット(HPより)

 

 ロシアの反体制政治家アレクセイ・ナワリヌイの毒殺未遂事件の真相を暴いた調査グループ「ベリングキャット」が注目を集めている。インターネット上の情報やデジタルデータの分析を駆使した手法は、欧米の情報機関や主要メディアにも波紋を広げそうだ。

闇市場で売りさばかれているデータ

 2020年12月、旧ソ連国家保安委員会(KGB)の後継機関であるロシア連邦保安庁(FSB)の非合法活動を暴露したベリングキャットの調査報道が衝撃を与えた。同年8 月にサリンの5 倍の殺傷力を持つとされる猛毒ノビチョクを盛られ、一時意識不明の重体に陥ったナワリヌイの事件に関わったFSB工作員8人を割り出し、名前と写真を公表したのだ。ナワリヌイ自身が後日、このうち1人の工作員に政府高官を装って電話し、犯行を認める発言を引き出したとされる記録も公開した。

カテゴリ: 社会 IT・メディア
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古葉祥太(こばしょうた) ジャーナリスト
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