第2次ナゴルノ・カラバフ戦争の「その後」(後編)
アゼルバイジャン軍参謀総長「失踪」にトルコの影

執筆者:小泉悠 2021年4月16日
タグ: ロシア トルコ
エリア: アジア 中東
「カラバフはアゼルバイジャン!」と書かれた壁の前に立つイルハム・アリエフ大統領(C)AFP=時事
戦争最中に姿を消した参謀総長、軌を一にして変化した作戦方針、そして実質的に軍を仕切っていたトルコ軍――。3つの線が交わるところに「アゼルバイジャン勝利」の真相が隠されていた。

 

 2020年9月に勃発したアルメニアとアゼルバイジャンの第2次ナゴルノ・カラバフ戦争は、アゼルバイジャンの大勝利に終わった。

 敗北したアルメニア側ではニコル・パシニャン政権の責任を問う声が高まり、しかもパシニャン首相がロシア製ミサイル「イスカンデル」を欠陥兵器呼ばわりしたことによって軍との対立が激化していたという事情は、前回紹介した通りである。

 その後、パシニャン首相は4月中にも辞任する意向を示し、6月に議会選挙を前倒しで実施することによって国民の信を問う方針だが、情勢は流動的だ。

カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
小泉悠 東京大学先端科学技術研究センター特任助教。1982年千葉県生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科修了。民間企業勤務を経て、外務省専門分析員、ロシア科学アカデミー世界経済国際関係研究所客員研究員として2009年~2011年ロシアに滞在。公益財団法人「未来工学研究所」で客員研究員を務めたのち、2019年3月から現職。専門はロシアの軍事・安全保障。主著に『軍事大国ロシア 新たな世界戦略と行動原理』(作品社)、『プーチンの国家戦略 岐路に立つ「強国」ロシア』(東京堂出版)、『「帝国」ロシアの地政学 「勢力圏」で読むユーラシア戦略』(同)。ロシア専門家としてメディア出演多数。
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