「ワクチン契約」の謎を明かさない菅政権:元凶は安倍前首相の政治的野心

執筆者:春名幹男 2021年6月5日
エリア: アジア 北米
今年2月、先行接種会場を視察する菅首相(左から2人目)。「今年前半までに全国民に」という公約は儚く消えたか (C)時事
新型コロナワクチン接種率が先進国中最低レベルの日本。その原因の1つに製薬会社からの供給問題があるが、この中身について口を閉ざす現政権。そしてその後ろには前首相の影が――。

 5月30日付『朝日新聞』朝刊の1面トップ「ワクチン出遅れ首相直談判」という見出しの記事を読んで、驚いた。5日前、25日付の『読売新聞』朝刊の政治面に、見出しがそっくりな「ファイザーに首相直談判」という記事が掲載されていたからだ。内容も、一部が酷似している。

 日本のリベラルと保守を代表する両紙は、一体何を伝えたのだろうか。

 新型コロナウイルスのワクチン問題は多くの国民にとって最大の関心事だが、政府はワクチンの調達に関する情報公開には全く消極的。だが、菅義偉首相の政権浮揚につながる情報の意図的リークには積極的なのだ。

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執筆者プロフィール
春名幹男 1946年京都市生れ。国際アナリスト、NPO法人インテリジェンス研究所理事。大阪外国語大学(現大阪大学)ドイツ語学科卒。共同通信社に入社し、大阪社会部、本社外信部、ニューヨーク支局、ワシントン支局を経て93年ワシントン支局長。2004年特別編集委員。07年退社。名古屋大学大学院教授、早稲田大学客員教授を歴任。95年ボーン・上田記念国際記者賞、04年日本記者クラブ賞受賞。著書に『核地政学入門』(日刊工業新聞社)、『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)、『スクリュー音が消えた』(新潮社)、『秘密のファイル』(新潮文庫)、『米中冷戦と日本』(PHP)、『仮面の日米同盟』(文春新書)などがある。
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