岩瀬昇のエネルギー通信 (361)

「ハーグ地裁判決」が世界のCO2 削減につながらない理由

執筆者:岩瀬昇 2021年6月11日
タグ: 訴訟
エリア: ヨーロッパ
蘭ハーグ地裁の判決後、メディアに対して発言するFoEオランダ事務局長のドナルド・ポルス氏 ⓒEPA =時事
地球温暖化対策を求める株主や環境NGOの要求に、エネルギー企業が立ち往生するケースが相次いでいる。ブラックロックCEOのラリー・フィンクは「非上場企業はどうするのだ」と課題を挙げるが、個別企業叩きでは生産・販売が他のプレイヤーに移り、問題解決につながらない点が重要だ。判決に対するシェルの長大な「FAQ」を徹底分析。

「2021年5月26日」、この日を『フィナンシャル・タイムズ』(FT)は社説で「石油業界の暗黒の水曜日」と呼んだ。米大手国際石油会社「エクソンモービル」(エクソン)と「シェブロン」の株主総会で「気候変動対策を現経営陣の計画より強化せよ」とする株主提案が可決され、一方で英蘭大手国際石油「ロイヤル・ダッチ・シェル」(シェル)が蘭ハーグ地裁から「NGO等の要求とおりにCO2削減を強化、迅速化せよ」との判決を受けたからだ。

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執筆者プロフィール
岩瀬昇 1948年、埼玉県生まれ。エネルギーアナリスト。浦和高校、東京大学法学部卒業。71年三井物産入社、2002年三井石油開発に出向、10年常務執行役員、12年顧問。三井物産入社以来、香港、台北、2度のロンドン、ニューヨーク、テヘラン、バンコクの延べ21年間にわたる海外勤務を含め、一貫してエネルギー関連業務に従事。14年6月に三井石油開発退職後は、新興国・エネルギー関連の勉強会「金曜懇話会」代表世話人として、後進の育成、講演・執筆活動を続けている。著書に『石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか?  エネルギー情報学入門』(文春新書) 、『日本軍はなぜ満洲大油田を発見できなかったのか』 (同)、『原油暴落の謎を解く』(同)、最新刊に『超エネルギー地政学 アメリカ・ロシア・中東編』(エネルギーフォーラム)がある。
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