「G7」「NATO」首脳会合から見える「対中国」シフトの虚と実

執筆者:鶴岡路人 2021年6月18日
サミットでの日本の存在感は、あったのかなかったのか (C)AFP=時事
日本の報道は対中シフト強化の「日米主導」を印象付けたが、本質を捉えているとは言い難い。欧州の対中姿勢は以前から厳しさを増していた。コミュニケが直接言及する箇所よりも、包括的に表現された欧州の中国認識に注目すべきだ。

 2021年6月に開かれた英国コーンウォールでのG7(主要7カ国)首脳会合とベルギー・ブリュッセルでのNATO(北大西洋条約機構)首脳会合は、ともに宣言文書で中国にいかに言及するかが注目された。

 歴史を振り返ってもG7やNATOにおいて、中国が議題としてこれほどまでに取り上げられたのは初めてだった。採択された文書での中国への言及は、分量的にもこれまでで最も多かったし、内容面でも最も踏み込んだものだった。

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執筆者プロフィール
鶴岡路人 慶應義塾大学総合政策学部准教授。1975年東京生まれ。専門は現代欧州政治、国際安全保障など。慶應義塾大学法学部卒業後、同大学院法学研究科、米ジョージタウン大学を経て、英ロンドン大学キングス・カレッジで博士号取得(PhD in War Studies)。在ベルギー日本大使館専門調査員(NATO担当)、米ジャーマン・マーシャル基金(GMF)研究員、防衛省防衛研究所主任研究官、防衛省防衛政策局国際政策課部員、英王立防衛・安全保障研究所(RUSI)訪問研究員などを歴任。東京財団政策研究所主任研究員を兼務。著書に『EU離脱――イギリスとヨーロッパの地殻変動』(ちくま新書、2020年)など。
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