南北同時ミサイル発射(下)金正恩は12月の「執権10周年」に何を準備するか

執筆者:平井久志 2021年9月28日
エリア: アジア 北米
2011年12月29日、金正日総書記中央追悼大会での金正恩氏(左=李英鎬軍総参謀長、右=金永南最高人民会議常任委員長:いずれも当時)。このときからまもなく10年と経ることになるが……[KCNA VIA KNS](C)AFP=時事
来る12月、金正恩党総書記は権力の座に就いて10年の節目を迎える。改めて「核」と「ミサイル」という2つのカードがクローズアップされる中で、新型SLBM発射実験など想定しておくべき挑発行為は多くある。

 少し時間を遡ってみよう。

南北通信連絡線はなぜ「再遮断」されたか

 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、板門店での南北首脳会談3周年の今年4月27日、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記に書簡を送った。当初は反応がなかったが、5月の米韓首脳会談前に、金党総書記の親書が返ってきた。その後、何回かの親書の往来があり、昨年6月から断絶していた南北の通信連絡線が7月27日に復旧した。韓国政府は南北の首脳間で(1)南北間の信頼回復(2)和解の促進(3)関係改善――の合意があったとした。韓国側には、通信連絡線の復旧は南北関係への足掛かりとして大きく評価する雰囲気が広がった。

カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
平井久志 ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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