イラン・アフガン・イラク「政治化する水紛争」の現在

執筆者:飯島健太 2022年2月4日
エリア: 中東
干上がったイラン中部イスファハンのザーヤンデ川(撮影:飯島健太)(C)朝日新聞社
中東・北アフリカで、水不足に伴う国家間の争いが深刻になっている。国境を越えて水源を共有する国家の間では常に緊張を生み、いつ衝突に発展してもおかしくない。地球温暖化が進むことで、事態が好転する希望はまったく見えない。イランで水不足の危機が最も顕著に露呈する現場を取材し、問題の広がりを考えた。

 

ガソリンより高価な水

 日本でガソリン価格が高騰しているという報道を見ていると、世界的な産油国であるイランで暮らす「恩恵」を改めて感じる。政府による手厚い補助のおかげで、月間60リットルまで1リットル6円(実勢レート)の割引価格で給油できる。それを超えると通常価格になるが、それでも2倍の12円で済む。

 近所のスーパーで売っている1.5リットル入りミネラルウォーターは1リットルあたり16円なので、水は割引価格のガソリンの2.6倍である。

カテゴリ: 政治 社会
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執筆者プロフィール
飯島健太 1984年、埼玉生まれ。朝日新聞テヘラン支局長。2007年に入社後、奈良、高松総局を経て大阪社会部(事件・調査報道)、国際報道部に異動。2018年にロンドン大学東洋アフリカ学院(SOAS)国際政治学修士課程を修了し、2020年4月から現職。
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