最新ウクライナ情勢:ロシア軍の人的損失は「想定外」なのか?

執筆者:藤村純佳 2022年3月28日
エリア: ヨーロッパ
キエフ近郊で破壊されたロシア軍の戦車(ウクライナ軍提供)(C)AFP=時事
ロシアによるウクライナ侵攻は1カ月を経て膠着状態に陥り、第1段階はロシア軍の失敗に終わったとの見方が優勢だ。しかし、予想外の停滞や人員・装備の損失も、プーチン大統領に戦争遂行を断念させる理由にはならないという。

 

表面化したロシア軍の問題

 侵攻開始から1カ月が経過した3月24日時点で、ロシア軍地上部隊による進撃はすべての戦域で鈍化し、一部では防御陣地の構築を行っていると伝えられている。攻勢中であっても、一時的な進撃停止の際には敵の反撃に備えて陣地を構築するのが常だが、通常は攻勢作戦の設定期間は2~3週間程度で、それ以上の作戦を行う場合には部隊の再編制や補充・補給・休養が必要となる。

 したがって、ロシア側の侵攻作戦の第1段階は、本来見込んでいた目標を達成できずに終わり、第2段階に向けた立て直しと準備期間に入ったと考えるのが妥当だろう。

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カテゴリ: 軍事・防衛 政治
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執筆者プロフィール
藤村純佳(ふじむらすみか) 軍事ライター。『月刊PANZER』『軍事研究』等の軍事専門誌にソ連・ロシアに関連した記事を寄稿。
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