「抑止としての核」から「使用できる核」へ法制化した北朝鮮

執筆者:平井久志 2022年9月16日
エリア: アジア
最高人民会議で施政演説を行う金正恩国務委員長(党総書記=左)(『労働新聞』HPより)
最高人民会議で採択された「核戦力政策に関する法令」は、先制攻撃を含む「使用できる核」戦略への転換を内外に示した。これは中国共産党大会・米中間選挙以降の、北朝鮮のさらなる挑発の序曲になるかもしれない。

 北朝鮮は建国記念日を前にした9月7、8日の両日、平壌で最高人民会議第14期第7回会議を開いた。

 金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党総書記)は2日目の8日、国政全般について行った施政演説の中で、「絶対に核を放棄できない」と述べ、最高人民会議では、核兵器の管理や使用条件などを定めた「核戦力政策に関する法令」を採択し、核保有を法制化した。

 これは、2013年4月1日に採択した法令「自衛的核保有国の地位をいっそう強固にすることについて」の効力を失効させ、その代替となるものだ。核兵器保有国であることをさらに強く確認し、核兵器使用の可能性を高める内容である。

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カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
平井久志 ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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