【再掲】三菱重工株は「5年ぶり高値」、ブームに沸く「日本防衛産業」夜明けの気掛かり

執筆者:町田徹 2022年12月24日
エリア: アジア
修理や整備がネックになり有事対応できない恐れも(写真は航空自衛隊三沢基地所属のステルス戦闘機F35=5月21日)  (C)時事
上半期(1月~6月)に掲載した記事から、2022年の世界と日本を捉え直す「再読セレクション」をお届けします。(初公開日:2022年6月6日)

 

「防衛費2倍」「防衛装備移転3原則緩和」の後押しを受け、防衛関連株が軒並み高値をつけている。安保環境激変の中、各社の“お荷物”だった防衛事業を見直す好機ではあるが、手放しで喜んでもいられない厳しい現実が横たわる。

 

軒並み株価急上昇の異変

   5月30日、三菱重工業の株価が一時、5122円と2017年1月以来、5年4カ月ぶりの高値を記録した。重工株と言えば、「再び大相場を迎える日が来るとは思えない」として、投資のシナリオを提供するアナリストたちのモニター対象から外す証券会社もあった銘柄だ。その忘れ去られたはずの株式が、昨年11月に最近の底を付けた後、にわかに動意づいたのである。

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執筆者プロフィール
町田徹(まちだてつ) 1960年大阪生まれ。経済ジャーナリスト、ノンフィクション作家。神戸商科大学(現・兵庫県立大学)卒業後、日本経済新聞社に入社。米ペンシルべニア大学ウォートンスクールに社費留学。雑誌編集者を経て独立。「日興コーディアル証券『封印されたスキャンダル』」(『月刊現代』2006年2月号)で「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」大賞を受賞。著書に『電力と震災 東北「復興」電力物語』『行人坂の魔物 みずほ銀行とハゲタカ・ファンドに取り憑いた「呪縛」』などがある。2014年~2020年、株式会社ゆうちょ銀行社外取締役。2019年~、吉本興業株式会社経営アドバイザリー委員。
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