教養としてのイギリス貴族入門 (7)

バイロン男爵家

執筆者:君塚直隆 2023年2月18日
タグ: イギリス
エリア: ヨーロッパ
詩人として名を遺した6代男爵ジョージ・ゴードン・バイロン(左)と、その一人娘エイダ(右)
イギリスロマン主義の代表的な詩人であるバイロンは、男爵家の第6代だった。詩作に没頭し、社交界の寵児となって家庭を顧みることはなかったが、その一人娘は初歩的なコンピューターの先駆者として、父同様、後世に名を遺した。【新潮選書『貴族とは何か』刊行記念スピンオフ企画第7回】

「ある朝目覚めてみると有名人になっていた」。これは19世紀の英国を代表する詩人、ジョージ・ゴードン・バイロン(1788~1824)が彼の代表作『チャイルド・ハロルドの巡礼』を発表した直後に記した、有名な一節である。読者のなかにもバイロンの愛読者はいるかもしれないが、その彼が「バイロン男爵(Baron Byron)」という(れっき)とした貴族の家に生まれ、貴族院議員の議席も有していたことは意外と知られていないかもしれない。

カテゴリ: カルチャー 社会
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執筆者プロフィール
君塚直隆(きみづかなおたか) 関東学院大学国際文化学部教授。1967年東京都生まれ。立教大学文学部史学科卒業。英国オックスフォード大学セント・アントニーズ・コレッジ留学。上智大学大学院文学研究科史学専攻博士後期課程修了。博士(史学)。東京大学客員助教授、神奈川県立外語短期大学教授などを経て、関東学院大学国際文化学部教授。専攻はイギリス政治外交史、ヨーロッパ国際政治史。著書に『立憲君主制の現在』(新潮選書/2018年サントリー学芸賞受賞)、『ヴィクトリア女王』(中公新書)、『エリザベス女王』(中公新書)、『物語 イギリスの歴史』(中公新書)、『ヨーロッパ近代史』(ちくま新書)、『悪党たちの大英帝国』(新潮選書)、『王室外交物語』(光文社新書)他多数。
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