短距離弾道ミサイルの核戦力化が進んでいるとKODEFは分析[2023年3月27日撮影とされ、場所は不明](C)AFP=時事/KCNA VIA KNS
3月28日に写真公開された小型核弾頭「火山31」によって、北朝鮮は「戦術核の小型化と標準化」に成功したとの指摘がなされている。実際、ミサイル能力が格段に向上しつつある中で、戦術核によって反撃能力を確保しようとするのは合理的だ。そして、その性能確認や性能向上のために核実験に踏み切る可能性が高いという。

   北朝鮮の国営メデイアは3月28日、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記が「核兵器研究所」を視察する様子を9枚の写真と共に報じた。核弾頭と見られるものの実物の写真も公開された。

   北朝鮮のミサイルを専門に分析する韓国のシンクタンク韓国国防安保フォーラム(KODEF)は、北朝鮮が核弾頭の小型化と標準化に成功し、量産体制に入った可能性が高いとしている。実際に軍事的な衝突が起きた際、直ちに使うことを想定する「兵器」に核を搭載する能力を高めている現状がうかがえる。

   写真に写った説明書きから、新たな核弾頭は「火山(ファサン(火山)31」と名付けられた模様だ。以下、筆者が入手したKODEFの分析資料をもとに、その詳細をレポートする。

「直径500㎜」というサイズの理由

   金正恩の身長や写真に映っている軍幹部の身体的特徴に関する情報から、火山31は直径が約500mm、長さが約900mmの小型核弾頭だ(資料1)。

資料1

   KODEFの関係者は、なぜ、北朝鮮がこのサイズの核弾頭を開発したのかに注目する必要があると指摘する。……

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カテゴリ: 軍事・防衛
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