Weekly北朝鮮『労働新聞』 (7)

遠からず中朝首脳会談か(2023年4月2日~4月8日)

執筆者:礒﨑敦仁 2023年4月10日
エリア: アジア
習近平総書記の親書の口頭伝達の様子は、異例の1面写真付きで報じられた(『労働新聞』HPより)
習近平総書記から金正恩党総書記への口頭親書を、1面トップで異例の報道。中朝首脳会談の開催も近いか。『労働新聞』注目記事を毎週解読
 

 4月8日付の1面トップは、習近平氏が金正恩(キム・ジョンウン)氏に口頭親書を送ってきたとの内容であった。着任したばかりの王亜軍駐北朝鮮大使が朝鮮労働党中央委員会の金成男(キム・ソンナム)国際部長に伝達したもので、習近平氏が国家主席に再選された際に金正恩氏が「最初に祝電を送ってくれたこと」に謝意を表しつつ、「中朝両党、両国関係を非常に重視する」「地域の平和と安定、発展と繁栄を促進させていく用意がある」などと述べられた。

 中朝間の口頭親書は過去にも報じられたことがあるが、今回の報道ぶりはきわめて異例であった。……

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
礒﨑敦仁(いそざきあつひと) 慶應義塾大学教授。専門は北朝鮮政治。1975年生まれ。慶應義塾大学商学部中退。韓国・ソウル大学大学院博士課程に留学。在中国日本国大使館専門調査員、外務省第三国際情報官室専門分析員、警察大学校専門講師、米国・ジョージワシントン大学客員研究員、ウッドロー・ウィルソンセンター客員研究員など歴任。著書に『北朝鮮と観光』(毎日新聞出版)、共著に『最新版北朝鮮入門』(東洋経済新報社)など。
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