
米韓は「グローバル包括戦略同盟」に成長したが、日韓関係はどこまで進化するか[2023年4月26日、ワシントンでの尹錫悦大統領(左)とバイデン大統領(右)](C)EPA=時事
4月末の尹錫悦(ユン・ソンニョル)韓国大統領の国賓訪米は、米韓同盟70周年を祝い、アピールするのに絶好の機会となった。ジョー・バイデン米大統領との首脳会談及び共同会見を通じて米韓両首脳は良好な関係を十分にアピールしたし、米議会や国賓晩餐会での尹大統領による英語での演説や歌唱は、米国指導層および国民の心を掴んだと言えよう。
同盟70周年を記念する首脳共同声明では、軍事安全保障だけでなく、経済的繁栄、民主主義、技術革新の推進における両国の世界大でのリーダーシップに着目し、米韓同盟が朝鮮半島をはるかに超えて「グローバル包括戦略同盟」に成長したことを確認した。
一方で、米韓同盟の核心は依然として軍事安全保障、すなわち高まり続ける北朝鮮の核・ミサイル脅威への備えにあることに変わりはない。米国の核による対韓「拡大抑止」コミットメントを再確認した「ワシントン宣言」の発出が、今回の尹大統領訪米の最も重要な成果だとされたのもそのためである。
強調された「日米韓3カ国協力」
尹大統領訪米のもう一つの重要な成果は、日米韓3カ国協力の重要性が改めて強調されたことである。尹大統領訪米とそれに先立つ3月の訪日、そして5月の岸田文雄首相訪韓という日本、米国、韓国を舞台とした3つの首脳会談は、相互に密接に関連した一連の流れとして理解されるべきである。広島G7サミットの際に日米韓3カ国首脳会談が開かれれば、それはこの一連の会談を総括する場となるであろう。……

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