Weekly北朝鮮『労働新聞』 (23)

70回目の「戦勝記念日」で目立ったロシア厚遇(2023年7月23日~7月29日)

執筆者:礒﨑敦仁 2023年7月31日
エリア: アジア ヨーロッパ
7月27日夜、祖国解放戦争勝利記念閲兵式での金正恩国務委員長(中央)、ショイグ露国防相(左)、李鴻忠中国共産党政治局委員(右)(『わが民族同士』HPより)
「戦勝記念日」に中露代表団を招き連帯を誇示、ショイグ露国防相に対する厚遇が特に目立った。中国側およびロシア側と金正恩がもった会談はいずれも同席者が報じられず、機微な内容だった可能性もある。『労働新聞』注目記事を毎週解読
 

 

 7月27日、朝鮮戦争の休戦協定締結から70年を迎えた。米韓の「侵略」によって開始され、それを金日成(キム・イルソン)が防いだという「祖国解放戦争」との位置づけで、北朝鮮では「勝利記念日」(「戦勝節」)が盛大に祝われた。中露両国から客人を招き入れ、三カ国の連帯を誇示するものとなったが、全体としてはロシア代表団に対する厚遇ぶりが目立った。両国から派遣された団長の格の問題もあろうが、「帝国主義者の強権と専横」、すなわち米国に対する認識の相違が今回のロシア重視につながった可能性がある。……

カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
礒﨑敦仁(いそざきあつひと) 慶應義塾大学教授。専門は北朝鮮政治。1975年生まれ。慶應義塾大学商学部中退。韓国・ソウル大学大学院博士課程に留学。在中国日本国大使館専門調査員、外務省第三国際情報官室専門分析員、警察大学校専門講師、米国・ジョージワシントン大学客員研究員、ウッドロー・ウィルソンセンター客員研究員など歴任。著書に『北朝鮮と観光』(毎日新聞出版)、共著に『最新版北朝鮮入門』(東洋経済新報社)など。
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