[ロイター]ロシアの民間軍事会社ワグネルの創設者、エフゲニー・プリゴジンの乗った飛行機が墜落する前日の22日、ユヌス=ベク・エフクロフ国防次官が率いるロシア国防省代表団がリビアを訪れ、同国に展開するワグネルの戦闘員はモスクワによる管理の下で引き続きとどまると確約した。リビア政府関係者によれば、ベンガジでハリーファ・ハフタル「リビア国軍(LNA)」司令官と会談したエフクロフ国防次官は、ワグネルの部隊には新たな司令官が着任するとも伝えたようだ。ハフタル司令官はロシアと強いつながりを持ち、リビア東部を実効支配している。
このタイミングは偶然以外の何物でもない。しかしロシア代表団の訪問は、「リビアにおけるロシアの足跡は縮小するどころか、むしろ深まり、拡大する可能性を示唆している」と英国王立防衛安全保障研究所のリビア研究者ジャレル・ハルチャウイは言う。プリゴジンとワグネルが6月にロシアのプーチン政権に反旗を翻したことを踏まえたこの軍事会談は、モスクワがワグネルの世界的なネットワークを手放すつもりはないことを示している。
ワグネルはウクライナで大規模な戦闘を繰り広げ、シリア、リビア、中央アフリカ共和国、マリで内戦や反乱を戦い、その過程で金鉱や油田を掌握した。プリゴジンが死んだと思われる今、ヨーロッパ、中東、アフリカ全域に広がるこの複雑かつカネになる軍事・商業活動ネットワークが岐路にあるのは間違いない。……
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