
火星の内部を研究するNASA初の火星探査着陸機「インサイト」の実物大モデル[アメリカのカリフォルニア州パサデナにあるジェット推進研究所(JPL)に展示](C)REUTERS/Mike Blake
[ワシントン発 /ロイター]研究結果は、NASAの火星探査着陸機「インサイト」によって得られた地震計データに基づいている。火星の内部を解明するミッション中に得られれた。研究チームによると、水は火星の地表から約11.5~20キロの位置で検知され、火星の全表面を覆う海に相当する水量の可能性がある。論文は、8月12日に学術誌「Proceedings of the National Academy of Sciences」に掲載された。
カリフォルニア大学サンディエゴ校のスクリップス海洋研究所の惑星科学者で、論文の筆頭著者であるヴァシャン・ライト氏は「この深さでは、地殻が十分暖かく、水が液体として存在できる。より浅い深さならば、水は凍結して氷状になっているだろう」と述べた。
カリフォルニア大学バークレー校の惑星科学者で、論文の共著者であるマイケル・マンガ氏は「地球では、地下深くで、岩石の隙間に水がたっぷりと貯まりエネルギー源が存在する場所で、生命(微生物)が見つかっている」と述べた。
インサイト探査機は2018年に着陸し、火星の深部の研究に貢献すべく、液体の金属からなる核、マントル、地殻の層に関するデータを収集した。インサイトのミッションは2022年に終了した。

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