経団連「副会長が多すぎる」との正論が表面化しない遺憾な構造

PERSONALS【人事情報】

2025年2月17日
タグ: 財界
エリア: アジア
通常会費数百万円、副会長企業になると2000万円(C)picture cells/stock.adobe.com
経団連副会長の定員は20人。2002年の日経連との合併後に2度の定款変更を経て倍増した結果、「正副会長会議の議論が密にならない」という声が上がるようになって久しいが、今年の副会長人事でもやはり何も変わらなかった。なぜか。

 2月10日、経団連は5月29日付の副会長人事を発表した。退任、新任は同数だが、現在副会長を務める日本生命保険会長(7月に退任し、特別顧問に就任予定)の筒井義信(71)が16代会長に昇格するため、副会長は1人減って19人となる。退任するのは日立製作所会長の東原敏昭(70)、日本製鉄会長の橋本英二(69)、パナソニックホールディングス会長の津賀一宏(68)、ディー・エヌ・エー(DeNA)会長の南場智子(62)。これに対し、コマツ社長の小川啓之(63)、富士通社長の時田隆仁(62)、みずほフィナンシャルグループ社長の木原正裕(59)、トヨタ自動車社長の佐藤恒治(55)の4人が定時総会の決議を経て副会長に就任する。

 退任予定の東原、橋本が共に15代会長(住友化学会長)の十倉雅和(74)の有力な後継候補だったほか、南場は4年前の就任時に「経団連初の女性副会長」として大いに脚光を浴びた。こうした存在感や知名度の高かった退任予定者とは対照的に「今回の新任候補は例年にも増して小粒揃い」(全国紙財界担当記者)。富士通の時田は英子会社ICL(現富士通サービシーズ)が関与した英国郵便冤罪事件の対応が後手に回るなど社内外の評価が芳しくなく、みずほの木原も前任者の時代に頻発したシステム障害の混乱を収拾するのに未だに手一杯の印象。さらにトヨタの佐藤については、本人よりも同社会長の豊田章男(68)が経団連入りを拒んだことの方が話題になった。

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カテゴリ: 経済・ビジネス
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