トランプ大統領の発言とアクション(4月24日~5月1日):「衝撃と畏怖」の就任から100日、経済と株価は低迷

就任100日の支持率は1937年以降で最低
ホワイトハウスは4月29日、X(旧ツイッター)にてドナルド・トランプ大統領の就任100日にあたり「米国を再び偉大な国へ導いてきた100日間! LFG!!!」と投稿した。このLFGとはLet’s Goの間に米国で放送禁止用語となっているFワードが入った俗語表現の略語。トランプ氏の有権者ですら、「ホワイトハウス公式がLFGを使用するとは」との声が聞かれるが、つつましい日本語に訳せば「さあ、まだまだいくぜ!」だろうか。別の投稿では、就任100日間の26に及ぶ実績を列挙する。下記は、リストの一部だ。
▼1月から34.5万人の雇用創出、このうち18.8万人(54%)は非政府関連で、新たな雇用創出の4分の3が政府関連だったバイデン前政権から劇的な改善を示す
▼退役軍人の失業率、4.2%→3.8%へ低下
▼処方箋薬価、トランプ就任から2%以上下落
▼CPIベースのガソリン価格、トランプ就任から7%下落
▼卵の価格、トランプ就任から約50%下落
共和党もXにて、FOXニュースの映像を使ってトランプ氏の実績を喧伝。大統領令の署名数は142本、インタビュ―106本、米国人の人質を26人解放、海外・民間の投資額5兆ドル、政府効率化省(DOGE)による歳出削減額1600億ドルなどの画像と共に「米国が存在を取り戻した!(America is BACK!)」とのメッセージを掲げた。

ただし、就任100日の大統領支持率と株価は低迷している。支持率をみると、ワシントン・ポスト紙がABCニュース、イプソスとの世論調査結果を基に報じたところ、就任100日にあたり、トランプ2期目の支持率は39%と、フランクリン・ルーズベルト大統領2期の1937年以降で最低だ【チャート1】。
CNBCがCFRA リサーチの調査を基に1945年以降、21回のS&P500のリターンを比較したところ、下落は7回。トランプ2期目はそのうちの1つで7.9%安と、2番目の弱さを示した。
ホワイトハウスは雇用創出とインフレ鎮静化を喧伝するが、世界に「衝撃と畏怖」を与えた各種のトランプ関税が痛手となり、支持率や株価を押し下げたことは言うまでもない【チャート2】。4月発表分の地区連銀経済報告(ベージュブック)では、「関税」との文言が107回登場、「不確実性」も89回と、それぞれ前回の49回、47回から急増した【チャート3】。
ただ、足元では明るい兆しが見え隠れする。

「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。