Weekly北朝鮮『労働新聞』
Weekly北朝鮮『労働新聞』 (138)

習近平への電報が1面トップに:中朝関係の改善は歴然(2025年10月12日~10月18日)

執筆者:礒﨑敦仁 2025年10月20日
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党創立80周年記念式典に出席した金正恩国務委員長は参加者および主催者に対し謝意を述べた[平壌・北朝鮮、2025年10月12日](C)AFP=時事
朝鮮労働党創建80周年に際して中国の習近平から祝電が送られ、それに対する金正恩の答電が17日付『労働新聞』の1面トップに掲載された。昨年、1面トップに「習近平」の名が載ることは一度もなかった。今年は今回で2回目となる。【『労働新聞』注目記事を毎週解読】

 10月13日付は第1面から第2面上段で、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長がマスゲームを観覧したことについて報じた。大衆パレードなどの朝鮮労働党80周年祝賀行事に参加した人々とともに観覧し、彼らを慰労するためのものであった。

 続いて第2面中段では、錦繍山(クムスサン)太陽宮殿への訪問が報じられた。掲載写真には同行者が見当たらず、一人で参拝したようである。「党と国家の永久存立と勝利発展の万年礎石を打ち固めてくださった首領様と将軍様の革命業績は、社会主義朝鮮の弛みない強盛とともに永遠不滅である」といった金正恩の発言が紹介された。

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執筆者プロフィール
礒﨑敦仁(いそざきあつひと) 慶應義塾大学教授。専門は北朝鮮政治外交。1975年生まれ。慶應義塾大学商学部中退。韓国・ソウル大学大学院博士課程に留学。在中国日本国大使館専門調査員、外務省第三国際情報官室専門分析員、警察大学校専門講師、米国・ジョージワシントン大学客員研究員、ウッドロー・ウィルソンセンター客員研究員など歴任。著書に『北朝鮮と観光』(毎日新聞出版)、『北朝鮮を読み解く』(時事通信社)、共著・編著に『最新版北朝鮮入門』(東洋経済新報社)、『北朝鮮を解剖する』(慶應義塾大学出版会)など。
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