深層レポート 日本の政治 (9)

「ポスト森は加藤」で揉めた自公ドタバタ劇

執筆者: 2000年9月号
タグ: 北朝鮮 日本
エリア: アジア

 国連ミレニアムサミット出席のため九月五日からニューヨークを訪問していた森喜朗首相は帰国前日の八日夜、市内のシェイ・スタジアムで行われた大リーグの公式戦、ニューヨーク・メッツ対フィラデルフィア・フィリーズ戦の観戦に出掛け、始球式のピッチャーを務めた。 日米両国歌演奏の後、「ジャパニーズ・プライム・ミニスター・モリ、イッツ・ユア・ピッチ!」と軽妙な場内アナウンスが響き、ホームチームのメッツの黒いユニフォームに巨体を包んだ森首相がマウンドに向かった。「来年まで首相の座は譲らない」という意気込みを込めてか、ユニフォームには首相が自ら発注した「二〇〇一」の背番号。緊張した面持ちで大きく振りかぶり、首相が投じた一球は、日本にもファンが多いメッツのピアザ捕手のミットにノーバウンドで吸い込まれた。中継のアナウンサーが「フォークボール」と形容したように、ホーム手前で失速した直球だったが、外角低めのストライク。スタンドからは割れんばかりの歓声が沸き起こった。

カテゴリ: 政治
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