“水と油”だった銀行と消費者金融が、個人向けローン会社を共同で設立し始めている。しかし、そこから透けて見えてくるのは「サラ金にしか頼れない」悲惨な銀行の姿だ。 同じ金融の世界に属しながら企業文化が異なり、これまで最も遠い関係だった銀行と消費者金融が急接近している。新型のローン会社の共同設立や融資保証での連携が着々と進んでいる。しかし、両者の関係は「対等」ではない。ローン商品の名称など表向きの看板は銀行のものだが、肝心な顧客の審査や取り立て業務を取り仕切るのは消費者金融なのだ。巨大なリテール(小口金融取引)市場を巡って、銀行が「サラ金」に依存する構図が浮かび上がりつつある。

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