銀行経営者も遊び心を

執筆者:成毛眞 2002年12月号
タグ: 日本

 このところ、新聞の政治経済面は金融問題のニュースばかりだ。税効果会計の可否だの欠損金の繰越だの、むずかしい金融・経済用語が飛び交い、議論ばかりが延々と続いている。それをもとに政策や政権の善し悪しを判断しなければならない一般国民にとっては、何とも荷が重い。 要は銀行の体質を改善し、利益が出るようにしなければ、余裕をもって資金を貸してもらえないということなのだろう。しかし、不思議なのは議論が銀行の体質改善に終始しているように思われることだ。不良債権を減らして自己資本を充実させる、資産内容を見直し良好な財務体質をつくるといったことは、しょせん利益を出すための準備にしか過ぎない。

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執筆者プロフィール
成毛眞(なるけまこと) 中央大学卒業後、自動車部品メーカー、株式会社アスキーなどを経て、1986年、マイクロソフト株式会社に入社。1991年、同社代表取締役社長に就任。2000年に退社後、投資コンサルティング会社「インスパイア」を設立。2011年、書評サイト「HONZ」を開設。元早稲田大学ビジネススクール客員教授。著書に『面白い本』(岩波新書)、『ビジネスマンへの歌舞伎案内』(NHK出版)、『これが「買い」だ 私のキュレーション術』(新潮社)、『amazon 世界最先端の戦略がわかる』(ダイヤモンド社)、『金のなる人 お金をどんどん働かせ資産を増やす生き方』(ポプラ社)など多数。(写真©岡倉禎志)。
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