「金正日訪中」の裏側にあった中国の圧力

執筆者:平井久志 2004年6月号
エリア: アジア

三年ぶりの訪中と、帰国直後に起こった大爆発事故。二つの出来事は北朝鮮とそれを取り巻く周囲の状況を変えるのか――。[ソウル発]金正日総書記の三年ぶりの非公式中国訪問の直後に、北朝鮮では死傷者約千五百人を出す列車爆発事故が発生した。あまりのタイミングに金総書記暗殺未遂説まで飛ぶ中で、事態は予想外の方向へ進みつつある。 一九九四年の金日成主席の死後、ぎくしゃくしていた中朝関係は、九九年六月の金永南・最高人民会議常任委員長の訪中で関係整理を行ない、二〇〇〇年五月と二〇〇一年一月の金正日総書記の非公式訪問でほぼ関係を修復した。

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執筆者プロフィール
平井久志(ひらいひさし) ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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