立ち止まれない男、孫正義

執筆者:安西巧 2004年9月号
タグ: 日本

ソフトバンク・孫社長の事業拡張欲は留まるところを知らない。だが、最大のリスクはライバルNTTの存在ではなく、自身の事業手法ではないのか――「全面勝利!」――。ソフトバンク社長、孫正義の快哉が聞こえてきそうな係争劇の幕引きだった。 情報処理大手CSKは八月五日、同社が保有する傘下のコールセンター最大手ベルシステム24の株式(発行済み株式の三九・二%)の大半を売却すると発表した。七月二十日にベル社が総額千四十二億円の第三者割当増資計画を突如明らかにし、これに強く反発した筆頭株主のCSKが東京地裁に新株発行差し止めの仮処分を申し立てる事態にヒートアップした問題は、急転直下、氷解した。

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執筆者プロフィール
安西巧(あんざいたくみ) ジャーナリスト 1959年福岡県北九州市生まれ。1983年早稲田大学政治経済学部政治学科卒、日本経済新聞社入社。主に企業取材の第一線で記者活動。広島支局長、編集委員などを歴任し、2024年フリーに。フォーサイトでは「杜耕次」のペンネームでも執筆。著書に『経団連 落日の財界総本山』『広島はすごい』『マツダとカープ 松田ファミリーの100年史』(以上、新潮社)、『さらば国策産業 電力改革450日の迷走』『ソニー&松下 失われたDNA』『西武争奪 資産2兆円をめぐる攻防』『歴史に学ぶ プロ野球16球団拡大構想』(以上、日本経済新聞出版)など。
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