饗宴外交の舞台裏 (80)

フランスワインで乾杯した済州島の夜

執筆者:西川恵 2004年9月号
エリア: アジア

 韓国のリゾート地・済州島で七月二十一、二十二日の両日、小泉首相と盧武鉉大統領の日韓首脳会談が行なわれた。 両首脳はノーネクタイの打ち解けた雰囲気で会談し、屋外で共同記者会見をもった。「白い雲と青い海。素晴らしい環境で率直に会談できたことをうれしく思います」と小泉首相が言うと、盧武鉉大統領は「本日は最高のお客さんに来てもらいました」と応じた。 会談の主要テーマは北朝鮮の核問題をめぐる六カ国協議で、両国は同協議で日米韓の連携を図っていくことを確認。また日本側は来年三月から九月まで「愛・地球博」(愛知万博)の期間中、韓国人観光客の短期滞在ビザ(査証)を免除し、結果によって恒久的なビザ免除を検討する意向を明らかにした。その夜の饗宴メニューである。

カテゴリ: 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
西川恵(にしかわめぐみ) 毎日新聞客員編集委員。日本交通文化協会常任理事。1947年長崎県生れ。テヘラン、パリ、ローマの各支局長、外信部長、専門編集委員を経て、2014年から客員編集委員。2009年、フランス国家功労勲章シュヴァリエ受章。著書に『皇室はなぜ世界で尊敬されるのか』(新潮新書)、『エリゼ宮の食卓』(新潮社、サントリー学芸賞)、『ワインと外交』(新潮新書)、『饗宴外交 ワインと料理で世界はまわる』(世界文化社)、『知られざる皇室外交』(角川書店)、『国際政治のゼロ年代』(毎日新聞社)、訳書に『超大国アメリカの文化力』(岩波書店、共訳)などがある。
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