パイプライン計画承認が招く環境派の「オバマ離れ」

執筆者:足立正彦 2011年9月5日
エリア: 北米

 国務省は、8月26日、カナダのアルバータ州で生産されるオイルサンドから抽出されたタールサンド原油をテキサス州のメキシコ湾沿岸地域にある石油精製施設に輸送するパイプライン建設計画案について、環境への影響はないとの環境評価を下した。このキーストーンXLパイプライン計画は、カナダの大手エネルギー企業トランスカナダ社によるものである。今後、関連省庁の承認、追加調査の実施、公聴会の開催、パイプラインが敷設される州政府との協議などの手続きが残っているが、今回の環境評価で大幅見直しは行なわれずにオバマ政権が年末迄に正式承認することが確実視されている。これにより同パイプライン建設計画案はその実現に向け大きな一歩を踏み出すことになった。

カテゴリ: 環境・エネルギー
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執筆者プロフィール
足立正彦(あだちまさひこ) 住友商事グローバルリサーチ株式会社シニアアナリスト。1965年生まれ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より、住友商事グローバルリサーチにて、シニアアナリストとして米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当し、17年10月から米州住友商事ワシントン事務所に勤務、20年4月に帰国して現職。
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