ヨーロッパ事情への洞察力

執筆者:渡邊啓貴 2011年9月7日
エリア: 北米 ヨーロッパ

 日本はすでにグローバル・プレイヤーとして世界で認められている。通貨・経済・ハイテクなどの面でのグローバル化と日本の世界での存在感は誰しも認めるところであろう。しかし経済に限らず、政治・外交・安全保障分野でも主要国の外交対応はグローバルな視野からのものでなければならなくなっていることも確かである。日本が例外でいられるはずはない。EU共通防衛政策としてインドシナ・アチェに警察活動の任務の文民活動支援が行なわれたことは今では驚くべきことではない。

 冷戦終結後の1996年、当時のクリントン大統領が来日し、普天間飛行場の返還と日米同盟の範囲のアジアへの拡大(再検討)を表明した。その直接的なきっかけは沖縄での女子小中学生に対する海兵隊員と海軍兵の暴行事件であったが、戦略的にはアメリカの世界的な同盟関係の中で太平洋同盟の見直しの順番がめぐってきたからであったというのがより正しいであろう。

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執筆者プロフィール
渡邊啓貴 帝京大学法学部教授。東京外国語大学名誉教授。1954年生れ。慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程・パリ第一大学大学院博士課程修了、パリ高等研究大学院・リヨン高等師範大学校・ボルドー政治学院客員教授、シグール研究センター(ジョージ・ワシントン大学)客員教授、外交専門誌『外交』・仏語誌『Cahiers du Japon』編集委員長、在仏日本大使館広報文化担当公使(2008-10)を経て現在に至る。著書に『ミッテラン時代のフランス』(芦書房)、『フランス現代史』(中公新書)、『ポスト帝国』(駿河台出版社)、『米欧同盟の協調と対立』『ヨーロッパ国際関係史』(ともに有斐閣)『シャルル・ドゴ-ル』(慶應義塾大学出版会)『フランス文化外交戦略に学ぶ』(大修館書店)『現代フランス 「栄光の時代」の終焉 欧州への活路』(岩波書店)など。最新刊に『アメリカとヨーロッパ-揺れる同盟の80年』(中公新書)がある。
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