ペリーの「過去」を擁護する茶会党有力者

執筆者:足立正彦 2011年9月12日
タグ: アメリカ
エリア: 北米

 共和党大統領候補レースのトップを走っているリック・ペリー・テキサス州知事は、元々、民主党員であった。今から20年以上前のテキサス州議会下院議員当時の1989年に、民主党員から共和党員に党籍を変更した。1980年代後半から1990年代前半にかけて民主党の有力者を支援したり、あるいはリベラル色の強い政策を賞賛したりしていた経歴がある。

 1988年民主党大統領候補指名獲得争いに出馬していた、当時、テネシー州選出の連邦上院議員であったアル・ゴアをペリーは支持しており、ゴアのテキサス州選挙キャンペーン担当の委員長に就任していた。また、共和党員になった後の第1期クリントン政権前半に、当時、ファーストレディーとしてヒラリー・クリントンが推進しようとしていた医療保険制度改革案を賞賛する内容の書簡を送付していた過去もペリーにはある。こうした過去が、共和党大統領候補の指名を獲得するうえで、ペリーの障害の一つになると見られている。

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執筆者プロフィール
足立正彦(あだちまさひこ) 住友商事グローバルリサーチ株式会社シニアアナリスト。1965年生まれ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より、住友商事グローバルリサーチにて、シニアアナリストとして米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当し、17年10月から米州住友商事ワシントン事務所に勤務、20年4月に帰国して現職。
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