事実上の与野党一騎打ちとなったソウル市長選

執筆者:平井久志 2011年10月7日
タグ: 韓国 大統領選
エリア: アジア

 10月26日に投開票されるソウル市長選は与党・ハンンラ党の羅卿瑗(ナ・ギョンウォン)議員と野党統一候補として無所属で立候補予定の朴元淳(パク・ウォンスン)弁護士の事実上の一騎打ちとなる見通しとなった。

 保守勢力では、元法制処長の李石淵(イ・ソギョン)弁護士が無所属での立候補を表明したが、その後、立候補辞退を表明し、保守系はハンナラ党の羅卿瑗議員に事実上一本化された。

 野党勢力は10月3日に市民勢力の朴弁護士、民主党の朴映宣(パク・ヨンソン)議員、民主労働党の崔圭曄(チェ・ギュヨプ)氏の3氏の間で候補一本化のための公選を行なった。公選は①世論調査30%、②テレビ討論後の陪審員評価30%、③国民参加方式の公選40%で行なわれ、①では朴弁護士が57.65%、朴議員39.70%、崔氏2.65%と朴弁護士が過半数以上を獲得、②では朴弁護士54.43%、朴弁護士44.09%、崔氏1.48%とこれも朴弁護士が抑え、③は朴弁護士46.31%、朴議員51.08%、崔氏2.61%と組織動員力に勝る朴議員がトップだった。これを当初の合意ルールで換算すると朴弁護士52.15%、朴議員45.57%、崔氏2.28%となり結局、無所属の朴弁護士が野党統一候補となった。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
平井久志(ひらいひさし) ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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