「2011」という年が締めくくられようとしている。2011年は、日本人一般にとっては東日本大震災の年として何よりも記憶されるのだろうが、やはり私にとっては、ひたすら「アラブの春」に明け暮れた年だった。
1年がたって、日本ではアラブ諸国の状況に関して懐疑的な声が多く見られる。それら懐疑的な声の根拠は曖昧でしばしば真意を把握しがたいが、総じて言えば「「革命」というが、政権が倒れただけで、いったい何が変わったのか?」という疑問と、「「民主化」と喜んだが、これまでにどれだけ民主的な体制が実現したのか?」といったものだろう。

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