フランスのオランド政権が目玉として打ち上げた富裕税の導入構想が、頓挫の危機に瀕している。法律の合憲性を審査する憲法審議会が12月29日、違憲の判断を示したからだ。政府は法案をつくり直す意向だが、「庶民派大統領」の象徴的イメージとしてこの新税構想を打ち出したオランド大統領の戦略が崩れかねない状況だ。
富裕税は、100万ユーロを超える所得に対して75%を課税する構想。対象となるのは、実業家や芸術家、スポーツ選手ら、せいぜい1500人程度に過ぎない。税収増が目的というより、格差社会の中で庶民に寄り添う姿勢を見せるパフォーマンス要素の強い政策だった。
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