米首都ワシントンで三月二十六日、土曜日にもかかわらず、ホワイトハウスや国務省、国防総省などから、対シリア政策を担当する高官らが集まった。 ライス国務長官は、ワシントン・ポスト紙に「あらゆる可能性を探り、可能な限り(シリアとレバノンの)多くの人物と接触したい」と語った。 ハリリ前レバノン首相爆殺テロ以後、レバノンとシリアの情勢は激しく流動化している。場合によっては、シリアのアサド政権が突如動揺することもあり得るとみて、ブッシュ米政権は、シリアの野党勢力にまで触手を伸ばそうとしているのだ。 あまり知られた名称ではないが、ブッシュ政権は昨年十二月以来、中東から北アフリカに至る地域で経済と政治の自由化を促すため「拡大中東・北アフリカ構想」(BMENA)という総額約六百億ドルの民主化構想を推進している。全中東・北アフリカ地域で親米国家を拡大するのが狙いだ。
この続きは会員登録をすると読むことができます。
「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン