「大連立の予感」でドイツ選挙戦は低調

執筆者:佐藤伸行 2013年9月11日
エリア: ヨーロッパ

 9月22日投票のドイツ連邦議会(下院)選挙まであと10日余り。首相3選を目指すアンゲラ・メルケル(59)の与党である中道右派、キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)は中道左派の最大野党・社会民主党(SPD)に大差を付けて議会第1党の座を維持する見込みだが、それでも次期政権の形は不透明だ。政権の行方は連立をめぐる投票後の政治談合にかかるドイツのお定まりのパターンとなっており、派手な争点も見当たらない選挙戦は盛り上がりに欠いたまま最終盤を迎えた。

 

メルケルが大きくリード

 ドイツ第1公共テレビ(ARD)の委託で行なわれた最新の世論調査によると、主要5党の政党支持率はCDU・CSUが41%、SPD27%、90年連合・緑の党10%、左派党8%、自由民主党(FDP)5%――となっている。首相候補支持率では、メルケルは54%と、対するSPD首相候補ペール・シュタインブリュック(66)の34%を大きくリードしている。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
佐藤伸行(さとうのぶゆき) 追手門学院大学経済学部教授。1960年山形県生れ。85年早稲田大学卒業後、時事通信社入社。90年代はハンブルク支局、ベルリン支局でドイツ統一プロセスとその後のドイツ情勢をカバー。98年から2003年までウィーン支局で旧ユーゴスラビア民族紛争など東欧問題を取材した。06年から09年までワシントン支局勤務を経て編集委員を務め退職。15年より現職。著書に『世界最強の女帝 メルケルの謎』(文春新書)。
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