韓国「国家情報院」改革をめぐる「仁義なき戦い」(上)「内乱陰謀事件」のお粗末

執筆者:平井久志 2013年9月20日
エリア: アジア

 読者の方から「韓国議員の内乱陰謀疑惑について記事を期待」という投稿を頂きながら回答が遅れました。遅れた理由は、筆者が夏風邪を引いて執筆意欲が減退していたという言い訳に加えて、この統合進歩党の内乱陰謀事件が、韓国の情報機関である国家情報院の在り方をめぐる韓国社会の葛藤と密接に関係し、さらにこれが検察当局と国家情報院の対立にまで発展し、毎日、情勢が動いていることがありました。事態は依然として流動的ですが、現時点での状況を報告させていただきます。

 

内乱陰謀容疑の「統合進歩党」とは

 この章は韓国の学生運動や進歩政党のこれまでの流れについて解説していますが、お急ぎの方は次の章に飛んでいただいても構いません。韓国の左派勢力には2つの大きな流れがあり、そのうちの1つである「統合進歩党」が北朝鮮に極めて近い路線を取っていることさえ押さえていただければ結構です。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
平井久志(ひらいひさし) ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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