偽メールを振りかざして国会で月光仮面になろうとした永田某はとんでもないことをしでかしてくれたものだ。その罪の重さは衆議院懲罰委員会での三十日登院停止などという処分なんぞで消えるものではない。議員辞職でさえもその罪のすべてを贖うことはできない。永田某の将来などどうでもいいが、この騒ぎによって二つの重要なチャンスが消えてしまった。ひとつは民主党が政権奪取するかもしれない近い将来の機会であり、もうひとつはライブドアと自民党の間にほんとうに金銭癒着がなかったのかどうかを検証、追及する機会である。 つい最近まで民主党は「野党」という呼称の代わりに「政権準備党」と称していた。昨年九月の総選挙では小泉自民党に大惨敗させられたが、それでもいずれ民主党が政権与党になる、それは時間の問題だと考えているようであった。ひとりひとりの議員の能力を比べれば、民主党が自民党に勝てないはずがない、そう考えている松下政経塾卒業生や、霞が関高級官僚からの鞍替え組が大勢いた。
この続きは会員登録をすると読むことができます。
「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン