「セウォル号」後の朴政権(下)「過去の発言」で躓いた首相人事

 6月4日の統一地方選挙を終えた朴槿恵政権はセウォル号沈没事故を収拾させ、政権基盤確立を図るために陣容の立て直しに着手した。

 朴大統領は6月8日に青瓦台の李貞鉉(イ・ジョンヒョン)広報首席秘書官の後任に尹斗鉉(ユン・ドゥヒョン)YTNプラス社長を内定した。朴大統領の側近として知られる李貞鉉首席秘書官が7月に予定されている国会議員の補欠選挙に立候補するために辞意を表明した。

 そして、朴大統領は統一地方選後の6月10日に文昌克(ムン・チャングク)元中央日報主筆を首相候補に指名し、李炳琪(イ・ビョンギ)駐日大使を国家情報院長に起用した。

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執筆者プロフィール
平井久志(ひらいひさし) ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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