「経高政低」だったインド「モディ首相」の初来日

執筆者:緒方麻也 2014年9月9日
エリア: アジア

 インドのナレンドラ・モディ首相は8月末から5日間にわたって日本を初訪問、安倍首相との首脳会談に臨んだほか、経済界やメディア主催の講演会などに精力的に出席し、インドを大いにアピールした。圧倒的人気を背景に今春の総選挙で現与党を圧勝に導き、中国に次ぐ大国の指導者に上り詰めたモディ首相に対する日本の関心はきわめて高く、各地で歓迎を受けた。

 米国や中国、欧州連合(EU)などの主要国に先駆けて日本を訪問したのは、インフラ建設や技術・資金協力、そして企業の対インド直接投資などで最も有望かつ信頼の置ける国だと判断したからだ。インド経済が2000年代後半のように再び89%の高成長軌道に復帰するには、さらなる外国直接投資の誘致が不可欠。モディ首相はあちこちの講演会でインドの優位性や投資フレンドリーな政策、規制緩和をアピール。トップセールスでインド投資に逡巡する日本企業の背中を押すことに力を注いだ。

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執筆者プロフィール
緒方麻也(おがたまや) ジャーナリスト。4年間のインド駐在を含め、20年にわたってインド・パキスタンや南アジアの政治・経済の最前線を取材、分析している。「新興国において、経済成長こそがより多くの人を幸福にできる」というのが信条。
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