「移民論議」から逃げる安倍内閣が残す「大きなツケ」
「安倍政権は、いわゆる移民政策をとることは考えていません」
10月1日の衆議院本会議。安倍晋三首相は、次世代の党の平沼赳夫党首の代表質問に答えてこう述べた。アベノミクスで推進しようとしている外国人労働者の受け入れ拡大は、首相に言わせれば、「多様な経験、技術を持った海外の人材に日本で能力を発揮してもらうもの」という位置づけで、決して移民受け入れを考えているわけではないというのである。
残念ながら、安倍首相のこの答弁は「逃げ」である。日本を世界で最もビジネスがしやすい国にする、グローバルに開かれた国にすると言いながら、移民論議はしないというのだ。もちろん、多くの先進国で移民政策の失敗によって様々な社会問題が引き起こされてきたのは事実だ。だが一方で、日本では生産年齢人口が32年ぶりに8000万人を割り込み、人手不足が顕在化し始めた。労働力の不足は今後ますます顕著になる。だからこそ、移民政策について議論をしなければならない時期なのに、安倍首相は自らそれを封じたのである。
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