ネットの進化と母国語の関係について真剣に考えなければならないなと最近つくづく思う。ネットは距離のような物理的制約を軽々と超える自由を私たちに与えてくれると同時に、あるいはそれゆえに、言語の差という難問をこれまで以上に意識させる。 物理的に日本から遠い場所に住み、周囲の人びとが皆「英語で生きる」という環境に住みながらも、ネットの進化によって、母国語である日本語圏が私の時間にもどんどん浸食してくるようになった。よほどの覚悟がないと日本語を遮断して生きるのは難しい時代なのだろう。渡米した約十三年前(ネット黎明期)は、逆によほどの理由がない限り、アメリカに住めば自然に「英語漬け」の毎日にならざるを得なかったのだから、隔世の感がある。

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