深層レポート 日本の政治
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安倍改造人事は改革「推進派」と「廃棄派」の最終決戦
自民党の歴史的惨敗に終わった第二十一回参議院選挙の興奮が冷めやらない八月七日、臨時国会が召集され、午前の参院本会議で正副議長選挙が行なわれた。 結党翌年の一九五六年に松野鶴平氏を送り出して以来、自民党は半世紀にわたり参院議長ポストを独占してきた。与野党逆転の大敗を喫した一九八九、九八年の参院選後も「自民党議長」が途切れることはなかった。いかに議席を減らしても、議長を出す要件である「第一会派」の座まで野党第一党に奪われることはなかったからだ。 半世紀も続けば、自民党出身者が議長席に着くのが当たり前の風景になる。今回も敗色が濃厚になるまで、参院自民党内では「次の議長は青木幹雄参院議員会長」と当然のことのように思われていた。青木氏自身も選挙が無事に済めば、片山虎之助参院幹事長らに後事を託し、引退までの三年間は議長公邸で楽隠居させてもらうつもりでいた。

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